真夏の夜明けに響く、南米の熱い鼓動!
コロンビアの3月。赤道直下のカリブ海沿岸の街、カルタヘナはもう夏です。朝から照りつける太陽は容赦なく、日中になれば蒸し暑さで外にいるのもつらいほど。
そんな気候ですから、レアル・カルタヘナU20の練習は、まだ太陽が昇りきらない早朝6時45分から始まります。正直、海外は時間にルーズなイメージがありましたが、このチームは別。意外にもみんな時間通りに集合し、朝早くから熱気に満ちた時間が始まります。
集合した選手たちは、監督やコーチ、そしてチームメイト全員と挨拶を交わし、練習への準備を整えます。時間ぴったりというよりは、「さあ、そろそろ始めるか」といった雰囲気で輪になり、練習はまずお祈りからスタート。この光景を見て、カトリックの信仰が彼らの生活に深く根付いていることを改めて感じました。お祈りが終わると、監督やコーチから今日の練習内容が伝えられ、いよいよトレーニングが始まります。

燃える南米魂とジャガーのようなしなやかさ
チームはAチームとBチームに分かれています。クラブと契約している選手は支給された練習着を、練習生は自前の練習着を着ています。
最初の30分はフィジカルトレーニング。これはエドウィントレーナーが仕切ります。彼は選手のコンディションだけでなく、メンタル面も常に気にかけ、選手たちに熱いメッセージを送ります。
「勝ったことはいい。だがリーグは長い。大切なのは次も勝つことだ!」
「サッカー選手になりたかったら、まずサッカーを一番に考えろ!」
20歳以下のチームですが、すでに何人かはトップチームに合流するレベル。エドウィントレーナーは、トップに上がれる選手とそうでない選手の差を、日々の練習を通して伝えようとしています。
そして、彼らの動きのしなやかさには本当に驚かされました。いわゆる「運動音痴」という選手が一人もいないのです。なぜ彼らはこんなにもしなやかに動けるのか?U15のフィジカルトレーナーに聞いてみたところ、返ってきた答えは「我々にはダンスの血が入っている」でした。
確かに、カルタヘナの街は常に音楽が流れ、幼い頃からダンスが生活の一部になっています。そのリズムやテンポ感が、まるで南米に生息する肉食動物ジャガーのように、彼らのしなやかな動きに繋がっているのかもしれません。

コーチングのチャンス到来!
フィジカルトレーニングが終わると、次はボールを使った練習です。ダビーコーチがシンプルかつ効果的な反復トレーニングを30分ほど行い、その後はウィンデル監督が戦術を指導しながら1時間のゲーム形式の練習で締めくくります。
合計約2時間の濃密なトレーニングですが、私にはひとつ気になることがありました。それはゴールキーパーの練習です。フィジカルトレーニングからボール練習に移る際、GKは十分な指導を受けないままシュート練習に参加しているように見えたのです。
練習後にウィンデル監督に尋ねてみると、やはり専属のGKコーチはいないとのこと。これはチャンスだ!と、私はすぐにこうお願いしました。
「明日から私がゴールキーパーを指導してもいいですか?」
ウィンデル監督は満面の笑みでOKサイン!「それは非常に助かる!」と快く受け入れてくれました。海外の選手を指導するという、ここに来た目的の一つがいきなり叶うことになりました。
次回は、いよいよ始まったGK指導の様子をお伝えできればと思います!