南米サッカー!爆音と笑顔で迎えてくれたチームとの初陣!
今日はいよいよ、Sub20(20歳以下)のリーグ戦! 12時キックオフの試合に向けて、午前10時半にサン・フェルナンド・スタジアム(Estadio de Fútbol San Fernado)でチームスタッフと待ち合わせです。少し早めに着いて、フィジカルトレーナーのエドウィン・サンタンデールさん(Edwin Santander)をスタジアムの入り口で待っていました。
すると… ドスドスと心臓に響くような爆音で、いかにも南米らしいアップテンポの音楽が流れてきたんです! 見れば、バスから若者たちがノリノリで降りてくるではありませんか。「え、この子たち、どこ行くの?」なんて思っていたら、その後ろからガタイのいい男性が降りてきて、私を見るなり一言。「君が日本から来た者かい?」
「はい、そうですが、あなたがエドウィンさんですか?」と聞くと、「そうだ!」と力強い返事。固い握手を交わしながら、そのまま爆音の音楽とともにスタジアムの中へ。どうやらあのノリノリの若者たちは、このチームの選手たちだったようです!
笑顔とフラットな関係性
選手たちは、全員に挨拶をしてロッカールームのベンチに座っていきます。もちろん、初対面の異国人である私にも、みんな笑顔で挨拶してくれるんです。次々と入ってくる選手が、見たこともない私に何の躊躇いもなく挨拶をしてくれることに驚いていると、エドウィンさんがスタッフを紹介してくれました。
「監督のウィルデル(Wilder)、コーチのダビー(David)、それに用具係のルイス(Luis)だよ」
ウィルデル監督、ダビーコーチ、ルイスさん。「日本から来ました、マサです。はじめまして!」と挨拶すると、「よく来たね!よろしく!」と、みんな満面の笑みで迎えてくれました。
日本でも挨拶は大切ですが、決定的に違うのは、本当にみんなが笑顔で挨拶するということ。選手同士も、選手と監督・コーチといった目上の人との間でも、常に笑顔なんです。国民性なのかもしれませんが、笑顔で挨拶を交わすことで、ポジティブなスタートをきれるように感じました。そして、そこには上下関係をあまり感じさせないフラットな関係性があり、人と人との信頼関係が築かれているように思えました。
お祭り騒ぎから闘う集団へ
今日の試合はリーグ戦の第2節。初戦は引き分けだったそうです。ロッカールームは相変わらず爆音の音楽が流れ、みんながリズムに乗ってノリノリの真っ只中! 「ここからどうやって試合の準備をするんだろう?」なんて考えていると、キックオフ1時間前、ついにミーティングが始まりました。
音楽が止まり、監督が話し始めると、選手たちは真剣な表情で耳を傾け、監督からの問いに答えていきます。この試合でどう勝利するのか、勝利に必要なものは何なのかを共有し、確認していくんです。そして、試合開始45分前にはウォーミングアップ開始! 私も何かできることはないかと思い、ルイスさんと一緒にボールを用意したり、マーカーを並べたりと準備を手伝いました。
ウォーミングアップ自体は日本のチームと大きな違いはありません。アジリティトレーニングやボールトレーニングなどを終えてロッカールームに戻ると、選手たちは各々水分を摂ったり、テーピングを確認したりと最終準備を始めます。
みんなの準備が整うと、円陣を組み、キャプテンが祈りを捧げ始めました。コロンビアではカトリックが信仰されているそうで、試合前には必ず祈りを捧げるんです。肩を組み合って祈る選手、両手の指を天に向ける選手、床に座り手をついて下を向く選手、聖書のページを開き手を当てている選手… 様々なスタイルですが、真剣な祈りの時間です。
祈りが終わると、みんながグッと集まり、「レアル!レアル!レアル!」と声を合わせて、いざ試合のピッチへ! もうその頃には、1時間前のような陽気な空気は一切ありませんでした。そこには、一人の選手として、チームの一員として闘う集団がいました。
快心の勝利!
私はベンチには入れないので、チーム関係者が観戦する席へ移動。試合は開始からお互いなかなかシュートまでいけない展開が続きます。30度を超える蒸し暑さの中での試合ですが、球際は厳しく、まさに力が拮抗した試合展開です。
お互い決定機がなく0−0で進みましたが、微妙な判定ながらもPKをもらい、相手チームからの大ブーイングの中、先制点をゲット! そのまま後半へ。
後半は前半に比べてボール運びのリズムが良くなり、試合のペースを掴んでさらに2点追加! 試合終了間際には、相手チームにPKを献上かと思う場面もありましたが、レフェリーはノーホイッスル。これまた相手チームは大ブーイング! 「前半のPKがPKなら、これもPKだ!」とスタジアムは騒然としましたが、結果はなんと3−0で勝利を収めることができました!
正直、私がチームに合流して、もし試合に負けてしまったら…という不安もあったので、勝利の喜びと、ホッとした気持ちを持ってロッカールームに戻ることができました。